足関節捻挫後の早期復帰するためのRICE処置

リハビリ

こんにちは、SHOです‼

バスケットボールをやっている方ではあれば、一度は足首の捻挫をしたことがありますよね。

捻挫後、なかなか練習に復帰ができなかったり、復帰しても足の痛みが残ったりはしていませんでしたか?

早期復帰するためには捻挫後の処置が正しくできていたかがポイントになります。

それが、皆さん一度は聞いたことのあるRICE処置です。

今回はRICE処置について実際のトレーナー活動でどのように行っているかを解説していこうと思います。

指導者や保護者の皆さん、選手たちへの対応のために是非ご覧になってください。

今回の記事の著者
  • 理学療法士(整形外科クリニックに勤務)
  • 中学バスケクラブコーチ(JBA公認C級コーチ)
  • 高校バスケ部トレーナー(JSPO-AT)

足関節捻挫とは

足関節周囲の靭帯が強いストレスにより損傷した状態を、足関節捻挫といいます。

受傷起点としては切り返し動作やジャンプの着地で足を踏んだりすることで受傷することが多いです。

足関節捻挫の中でも足部が内側に向く動き(内反)が強制されることにより、足関節外側の靭帯が損傷する内反捻挫がよく起こります。

さらに足関節外側の靭帯の中でも前距腓靭帯といわれる外くるぶし(外果)の前にある靭帯が損傷しやすいです。

前距腓靭帯が損傷することにより炎症が起こり、腫脹・熱感・疼痛が出現し機能障害をもたらします。

RICE処置

RICE処置は組織が損傷した際の過剰な炎症を抑制するために行う処置です。

  • R(Rest):安静
  • I(Ice):冷却
  • C(Compression):圧迫
  • E(Elevation):挙上

以上の4つの処置を行います。

それでは実際の処置方法について解説していきます。

R(Rest):安静

人体の組織は損傷をすると炎症を起こします。

損傷した部位を動かすと更に炎症が助長されてしまいます。

それなので、まずは組織が更に損傷されないよう安静にすることが必要なのです。

捻挫ではまず足関節の可動域を動かさないように安静にするよう徹底します。

特に前距腓靭帯に負担のかかる「底屈・内反」の方向の動きをしないように気をつけなければなりません。

重症度が高い場合は歩行も制限するため、松葉杖を使うこともあります。

しかし、最近では早期復帰するためには適度な負荷を掛けたほうが良いとの報告があり、安静にしすぎることが身体機能の低下になるとも言われています。

どの程度動いたほうが良いのかは、専門医や専門トレーナーの方に相談してみるのも良いかもしれません。

I(Ice):冷却

炎症をすると血流量が上がり発赤を起こし、組織の代謝が進むことで熱感が起こり、それらが原因となり腫脹をします。

炎症が過剰に起こりすぎることによって2次的な組織損傷が起こるのです。

その発赤、熱感、腫脹を抑えるためにアイシングを行います。

アイシングの効果としては冷却することで血管を収縮させ血流の抑制させること、低温にすることで組織の代謝を抑制し酸素や栄養を低減することができます。

その結果、患部周囲の組織が受ける2次的な外傷性損傷の原因となる2次的低酸素を抑制することができるのです。

アイシングの方法は実際の方法として下記に解説してありますので是非読んでください。

C(Compression):圧迫

圧迫は損傷した細胞や毛細血管から細胞液や血液が漏出する腫脹や内出血を抑える役割があります。

足関節捻挫では外踝周辺の靭帯の損傷が起こるので、その周囲を圧迫するようにバンテージやテーピングを巻いていくのが一般的です。

外踝にそって作ったU字パッドを当てて巻くことで更に圧迫効果が出ます。

過剰な圧迫をすると、血管や神経が損傷してしまう恐れがあるので足の爪を押して色がすぐに変わるかなどの反応を見て、血流が止まりすぎていないかを確認してください。

E(Elevation):挙上

挙上は患部を心臓より高く上げることで、患部への血流量を抑えることができ、患部からの静脈の流れを促進させることで内出血を抑える効果があります。

足関節捻挫の場合は、足を心臓よりも高いところに置くため患者は仰向けに寝てもらい、椅子やクッションなどで足を高くした状態にします。

最初の処置だけでなく、受傷後48~72時間はできるだけ足を降ろした状態にせず上げてもらうことで過剰な腫脹や内出血を押させることができます。

実際の現場での対応方法

ここからは実際に現場で行っている方法を紹介します。

受傷してからの対応はこのような方法の順番で行っています。

  1. 足関節前外側を手で圧迫
  2. テーピングで圧迫・固定
  3. 足を挙上位でアイシング

足関節前外側を手で圧迫

受傷後は前距腓靭帯が損傷し、皮下出血が起こります。

皮下出血が増えると腫れが増え、2次的な組織損傷が起こりやすくなります。

その皮下出血を過剰に起こさせないように、止血方法の直接圧迫法の要領で前距腓靭帯周辺を手で圧迫します。

5分程度圧迫することで腫れにくくなります。

テーピングで圧迫・固定

手での圧迫を行った後、すぐにテーピングにて外側の踝周辺の圧迫、足関節の固定を行います。

テープの種類は伸張するキネシオテープや何回でも巻き直せる自着性テープを使用することが多いです。

テーピングの方法はフィギュアエイト・ヒールロックを繰り返し巻く方法で行います。

テーピングを巻く際に、外側の踝周囲にU字パッドを当てて行うとより圧迫の効果が増します。

足を挙上位でアイシング

テーピングの後は、椅子や台など心臓よりも足が高い位置でアイシングを行います。

アイシングは氷を袋に入れ、袋の空気を抜いて前距腓靭帯周囲に当てます。

袋の空気が入っている状態では、氷が患部に当たらないことで効果が下がるので気をつけてください。

また、家庭の冷凍庫で作った氷の場合は冷たすぎて凍傷を起こしてしまう危険があります。

その場合は水などを少しだけ入れ軽く溶かしてから使用したほうが良いでしょう。

アイシングの時間は20分程度です。

その後は2時間おきに20分程度行うことが推奨されています。

炎症は48〜72時間かかることを考えると2日〜3日程度は行ったほうが良いと考えられます。

まとめ

今回は足関節捻挫から早期復帰するための実際に行っているRICE処置について解説しましった。

受傷直後から

  1. 手での圧迫
  2. テーピングでの圧迫・固定
  3. 足挙上位でのアイシング

上記の手順で行うことで、過剰な腫脹を防ぎ2次的な組織損傷を起こさせないようにします。

捻挫は甘く見ていると復帰が遅れてしまったり、後遺症が残ってしまいます。

まずは病院で正しい診断をもらい適切な処置をしてもらうことをおすすめします。

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